俺はルービックキューブが趣味だ。
一人暮らしをしながら仕事をする俺の娯楽である。
特に仕事から帰った後真っ先にルービックキューブを揃えるあの瞬間は最高だ。
もっともそろえた後すぐ寝てしまうのだが。
また朝は時間がない。
寝室にカバンを置いて、とにかく長く寝るよう努めている。
そのせいで毎回かばんを持ってドアまで走る羽目にもなっているんだけれども。
そして今俺は帰り道を歩き、鍵を開け家に入ったところだ。
リビングに入ると机にぐちゃぐちゃのルービックキューブが置いてある。
さあ、今日も揃えるか。
その時朝のことを思い出し違和感を感じたものの眠かったので気にせずさっさと揃えて寝た。
ここまでが前編です。
ここからはかなりわかりやすくなります。
ですが、後半の話は読まなくても意味は分かりますのでここで立ち止まって考えてみてください。
ここから後編
そして朝、またドアまで走る。
その時机の上に昨日揃えたキューブが置いてあったことに気づいた。
(やろうかな...)
と思ったが時間がなかったのでやめた。
そして帰ってきた。
机の上にはぐちゃぐちゃのルービックキューブがある。
俺は朝のことを思い出し、実家まで走った。
あの違和感ってそういうことか...!
解説
語り手は毎晩帰った後ルービックキューブを揃えています。
揃えるためには混ぜることが必要です。
では語り手はルービックキューブをいつ混ぜているのでしょうか。
朝寝室にカバンを置いてドアまで走るほどなので朝混ぜているとは思えません。
夜も揃えたらすぐ寝てしまうといっているのでないでしょう。
とすれば答えは一つ。
語り手以外の誰かが部屋に侵入しルービックキューブを混ぜている...
こんな誰が侵入したかわからない部屋にいたくないと思ったのでしょう。
実家に走るのも納得です。
それでは。